東大セミナー通信

2009.11.01塾長メッセージ

「貧困率15,7%の衝撃」


先日、厚生労働相が日本の相対的貧困率が15,7%であることを発表した。これは国内の低所得者の割合を示す指標で、国民一人ひとりの所得を順にならべて真ん中になる人を定め、その額(今回の調査では230万円)の半分に及ばない人が全体のどれだけいるかという数字だ。OECD(経済協力開発機構)の2004年度調査では日本は30か国中悪い方から4番目で14,9%であったが今回の2007年度調査(政府が初めて行う)で悪化したことが明らかになった。

 

原因として非正規社員の増加が第一に挙げられる。テレビのコメンテーターとしても活躍している経済アナリストの森永卓郎氏は2005年11月にある雑誌で「貧困層が倍増!年収120万円時代がやってくる」として小泉構造改革の危険性を指摘しているがその卓説に感服する。近年のフリーター、ニートの増加は日本が階級社会に変貌する前途を予感して暗澹とする。来春の就職も厳しく現時点で大卒の内定者は昨対28%減ということである。この状況は2011年度も同様のようだ。

 

今や私立大学の5割弱は定員割れを起こす時代だ。大学という名のつくところに入れば良いというものではない。高3受験生はしっかりとしたカリキュラムを持ち社会から評価される大学を努力して目指すべきである。学歴社会を無条件に肯定するわけではないが社会は厳しいのである。時の首相までもが「私は中流です」と言った一億総中流時代は遥か昔に過ぎ去ったのだ。
中3の受験生は高校選択の時期がせまっている。自分の将来の夢・目標に向かって最善を尽くしてほしい。残念ながら日本は資源の乏しい国、ゆえに国民の努力・勤勉でもっている国なのだ。楽して幸福は来ない。「天は自ら助くる者を助く」(S・スマイルズ「自助論」)という。自分で努力する人には天が援助するというような意味だ。月並ではあるけど激励を込めてこの時期の受験生に与える言葉としたい。

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