東大セミナー通信

2011.09.01塾長メッセージ

受験は戦略である


「仕事ができる人の心得」小山昇著を読んで、大いに刺激をうけた。ありきたりの本でなく著者の個性がつよく出た内容に刺激をうけた。しかし、それは違う、という箇所があった。これは辞典のように仕事に関する用語に著者独自の解説をしている手帳サイズの本であるが、その「受験勉強」の項目に「ベンチャー精神をなくす。答えがあるということを教えられているので、どうしたらよいかを考えなくなる。そつなくやるが、その先に行かない。新卒者を育てるには、社内にゼロスタートの事業部を毎年設立するしか方法がない。」とあったのである。

 

受験勉強については以前から小山氏に限らず、マスコミなどもこような紋切り型の批判をするので、何も小山氏のみの問題ではないかもしれない。しかし、わたし達のように何年も受験指導をしてきたものからすると受験で成功するということは、そのように甘いものではなく、きちんとした戦略・戦術が必要であるという確信がある。受験勉強とは受験生の現在の学力と志望校との乖離を限られた時間のなかで如何に効率よく埋めるか、といった優れて戦略的なものである。しかも志望校のレベルが高ければ高いほど綿密な計画性がもとめられる。

 

自分に適した参考書は何か。学力増進のタイムスケジュールをどう計画するか。模試の結果をどう勉強に反映させるか。弱点をどう短期間で克服するか。集中力を高めるにはどうしたら良いかなど戦略・戦術といわずして何といえるだろうか。もっとも小山氏が本当に言いたいのは、新卒者は即戦力にはならないので社内ベンチャーなどを立ち上げ鍛えていくべきだ、という点にあるのだとしたら、即戦力にならないのは受験勉強というより学校教育や答えが一つしかない、あるいは必ず答えが用意されているというテストのあり方の問題であって、受験勉強そのものに問題があるわけではない。受験勉強も人間を鍛える有力な過程である。

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