東大セミナー通信

2011.12.01塾長メッセージ

「錦繍の秋」


今年も紅葉の時期になりました。今年の紅葉は一週間ほど遅いと聞いています。
真っ赤に色づいたもみじを見る度に綺麗だなと思う反面、やがて訪れる冬の景色に生命の儚さを感じます。時に冬は死の世界と言われることがあります。
生命の循環からいえば、確かに冬は死の世界かもしれません。しかし、その後に澎湃と湧き出ずる春の息吹を思うとき、冬=死の世界は無くてはならないものです。
古くからある輪廻転生の考えは、このような自然観からきているのかもしれません。

 

生命の誕生に意味があると考えるのは四季の循環を重ねるうちに、人間が辿りついた一つの帰結かもしれません。万物に精霊が宿るというアニミズムの考えも自然に謙虚に向き合う人間の叡智です。古来、特に東洋では森に恵まれ、そのような思想が生まれる土壌がありました。一方英語のカルチャーの語源は「耕す」にあるといわれています。
すなわち自然に働きかけ、人工的な力を加えることが西洋の文化なのです西洋の物質文明の発達はこのような自然観からきていると思うと興味深いものがあります。

 

「生命の誕生に意味がある」に共鳴します。哲学的に考えるまでもなく、そのように理解した方が幸せな気がします。人間の本質はあらゆるものに意味を求め、納得しないと気が済まないところがあるからです。そう考えると、人間存在そのものに意味があり、極論すると人間は目的をもって生まれてきていると言えなくもありません。自分の存在が相手から認められたときのわたし達の嬉しさ、高揚感はこの本質に根差しているからではないでしょうか。人間関係においてこの「存在承認」ほど重要なものはないでしょう。例え、それが家族間であろうと、社員間であろうと。

 

マザー・テレサの有名な言葉「人間にとって一番寂しいことは相手から関心を持たれないこと」の本当の意味がここにあります。

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