東大セミナー通信

2013.02.01塾長メッセージ

「郷土の誇り」


北陸の冬の天気には気がめいることが多い。かつて雨の日を楽しむくらいの心 境に憧れたことがあるが、さすがに雪まじりの寒風にさらされたりすると身に こたえる。また必要以上に歳のせいかな、などと思ってしまう。少し前はお国 自慢で日本を代表する二人の哲学者、西田幾多郎、鈴木大拙はこの冬のどんよ りとした気候が育んだなどと他県の人に自慢していたはずであるのに。 この冬の天気さえ太平洋側のようによかったら金沢はおそらく日本一の都市で あろう。

 

しかし、それを言っても始まらないので、やはりこの気候を楽しむより他にな い。楽しむのは冬の日本海の幸が一番である。鰤、蟹、甘エビなど挙げたら きりがない。四季のなかでも日本海の幸がもっとも美味しいのはこの季節であ る。近海でとれる魚介の種類の多さ、質の高さも私のお国自慢の一つである。 季節は異なるが特に七尾湾でとれる、とり貝、コハダ、赤にし貝、海鼠、など は質が高く銀座の一流鮨屋でも引き合いが多い。東京だと高く売れるのでなか なか金沢の店にまわってこないらしい。

 

加賀百万石の城下町金沢は地方都市でも知名度が高く、京都でも「いいですね、 食べ物が美味しいところですね」と言われることが多い。そう言われ ると当然悪い気はせず、鼻高々となるのだが、悪い癖があって県外からの観光 客に飲食店で会うとつい私のお気に入りの店を紹介してしまうことである。よ い店は観光案内に出ているところというより地元の人の評価の高いところと言 いたいわけだ。それによい思い出を持ち帰ってもらい、金沢を気に入ってもら いたいのはもちろんである。

 

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