東大セミナー通信

2015.07.03塾長メッセージ

変わるということ


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紫陽花の色彩がひときわ鮮やかな季節をむかえています。一口に紫陽花と言っても様々な花の形と色合いがあります。ふと路地裏に咲く紫陽花に目をやれば心が洗われます。またこの季節は茶花の種類も多く、訪れた店の一輪挿しに一瞬目を奪われます。このような時、四季の変化があり、花の種類の多い日本という国に感謝とともに誇りを持ちます。先日、橋場町の交差点近くの小川にかかる橋の脇にホタルの生息地の掲示がありました。そこに花びらの少ない紫陽花も咲いており、こんなところにも金沢の魅力を感じたものです。

 

世に、変化をたとえて「紫陽花の七変わり」という言葉があります。不変的な価値に対して、移ろいやすいものを指す場合に使われるときがあります。この場合、あまりよい意味に使われていないのですが、古よりこの季節の移ろいなどの変化に無常観をもったようです。有名な方丈記の冒頭の言葉「ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」などが思い起こされます。人間の弱さゆえに恒常的なものを求める一方、それ故に移ろいやすいものに気が惹かれる人間の心情から様々な文学や芸術が生まれました。

 

しかし、私たちは日常生活のなかでは、あまり変化を好まない傾向があるのではないでしょうか。同じことの繰り返しのなかに安らぎを感じ、居心地がよいのかもしれません。それはそれとして大切なことだと思います。しかし、向上、発展という観点からいうと問題なしとは言えません。自然は常に生成化育しており、一瞬といえども停滞していません。また私たち人間の身体の細胞は半年で全部入れ替わると言われています。まさに、変化こそ本質的な人間の属性かもしれません。変化を厭わない勇気が必要です。

 

 

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