東大セミナー通信

2017.05.01塾長メッセージ

いま、できることに最善を!


 

時間の流れの速さを感ずる。俗に年齢分の1の割合で感ずるというが、まんざら外れていると思わない。あと生きて何年ということを時々口にするようなった。
それは消極的な意味というより、積極的な意味で言う場合がほとんどだ。それは逆算で考え、目的をもって生きるという決意と結びついている。また健康ということにも考えが及ぶことが多くなった。近ごろ平均寿命に対して健康寿命が注目されている。聞くところによると72 歳位のようだ。私はこの5月で66歳になるからそんなに多く時間が残されているわけではない。もっとも、それはあくまで平均であり自分はもっと長く健康であるはずだと考えると少し楽になるのだが。

 

先日、両親と私たち夫婦、私の妹、私の長男の6人で母の87歳の誕生日のお祝いをした。このメンバーでの外食は初めてのことであった。父はもともと外食が嫌いで、このようなことは珍しいのである。内向的な父と違って母はお喋りが好きで元来明るい性格の持ち主だった。しかし今だに夫婦の折り合いが悪く実家に顔を出しても暗い表情が多かった。それが、その時は本当に良い表情をしていて、ことのほか嬉しかった。
88歳の父と87歳の母がいつまでも元気であるはずがない。毎月1回実家に顔を出しても年に12回、5年で60回しか会えないのである。いい歳をして何をセンチメンタルなことを言っているのか、という声が聞こえてきそうである。その通りであると思う。

 

以前から人間の真の自立は親を「あの世」に送ってからではないかと考えていた。いくら経済的に自立していても親が現存する限り、どこかで甘えがあるのではないかと自問している。それが良いとか、悪いとかではなく、そういうものではないかと。私の妻はすでに両親がなく、社員の中にもそういう人が何人かいる。そういう人達がたくましく見えるときがある。

 

また、その人たちから勇気をもらう。周囲は母の最大の喜びは私が顔を出し、母の昔話を聞いてあげることだと言う。なるほど、その通りだという実感がある。心がけ一つでできることである。私にとって「いま、できることに最善を!」の一つがこれである。決して大袈裟なことではなく、こういうことの一つ一つが豊かな人生を創りあげるのではないか。

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