東大セミナー通信

2017.06.01塾長メッセージ

「働き方改革」と「高大接続改革」


 

働き方改革が新聞紙上を賑わしている。電通の女子社員の過労を苦にした自殺も相まって世情の話題に上ることも多い。働き方改革でいうところの働き方の問題と過労死の問題は一応別の次元だと思うが重なるところもあるのではないだろうか。それは端的に言って労働生産性の問題である。労働力不足が必至な状況で企業の成長は一人当たりの付加価値の増加にかかっている。これからは時間あたりで生み出す成果を増やすことが求められる。残業漬けは、それと相容れずこれからの企業のあり方として不適切と言わざるを得ず、企業体質の強化に逆行する。

 

政治・経済のグローバル化も働き方に影響を与える。世界の企業との競争の激化で外国人労働者を含めた多様な人材の雇用を前提に実力本位の透明性の高い人事・処遇制度が求められる。また、AI(人工知能)やロボットの普及でこれらに任せられる仕事は任せ、人間にしかできない能力が求められる。創造力や企画力、交渉力といった人間にしかできない仕事が主流になる。企業は社員のスキル(技能)のレベルや専門性を厳しく問わざるを得なくなる。

 
2020年の高大接続改革は大学入試改革を通して高校教育・大学教育のあり方を変えようとする近年の教育改革の中でも抜本的なものである。グローバル化に合わせ自分で考え、解決していく主体性のある人材の育成が眼目である。「学力の三要素」の3番目の「主体的学習態度」の育成が働き方改革と絡んで重要となってくる。そういう点で「働き方改革」と「高大接続改革」は連動しているのである。日本の年功序列の賃金や長期雇用の仕組みは大きく変化していく。

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