東大セミナー通信

2017.09.30塾長メッセージ

不安を和らげるには


 

 

人間は生きてる限り不安がつきまとうのか。私の父88歳、母87歳の様子を見ても日々不安と戦っているのではないか、という節がある。ちょっとした体の変調にも過敏に反応し、狼狽していることがある。先日、母が太腿から内出血し、そのうちに腫れ上がり痛みから歩くのにも覚束なくなった。見ると真っ黒(紫色?)に足が変色しているのである。「医者を呼んでくれ」と母から懇願されたが生憎祭日のため無理だと言いうしかなかった。もともと母は心臓の病気を持っており、血液をサラサラにする薬を日頃から飲んでおり、それがことを大きくしたと考えられた。内出血後、専門の医者に診てもらいレントゲンを撮った結果骨に骨折などの異常がないと説明を受けていたが、内出血が足の下の方まで広がるにつれ、新たな出血がないか気になって仕方がないということであった。妹と2人で何度も「大丈夫だよ、そのうち治るよ」と言っても「私たちに何が判るか」と聞き入れないのである。

最近の母について、漠然とした不安に苛まれているのではないかと、思われるのである。

 

先日、中野信子さんという脳科学者の発言にハッとさせられた。私たちが何かに臨むに当たって不安な気持ちになったとき、例えば受験が間近に迫ったときなど、無理に不安を打ち消したり、努力で何とか乗り越えようとするのではなく、何が不安かを具体的に書き出すことが良いとのことであった。書き出すうちに、1つ1つについて解決策を考えることで漠然とした不安から解放されると言うのである。素人考えでは不安を書き出せば、却って増幅させるのではないかと思ってしまう。夜の悩み事が朝になると何だこんなことで悩んでいたのか、大した問題ではなかった、と思えることがある。これと先の例は違うかもしれないが私たちの脳には不思議な働きがあるようだ。どうも私たちの脳は漠然・漫然としたものに不安や怯えみたいなものがあるのではないか。不安に打ち勝つには、その不安を具体的に書き出すことで克服するという知見に大いに考えさせられた。受験生の皆さんに少しでも参考になれば幸甚である。

 

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