東大セミナー通信

2017.11.30塾長メッセージ

ポジティブ心理学の最近の成果


 

ポジティブ心理学の発達が著しいようだ。

この分野は当社でも社員の読書課題として取り上げたテーマで

予てより関心を持っていた。

ポジティブ心理学では「幸せ」を2つに分けて考えている。

これは古代ギリシアの哲学から議論されているものだが、

ヘドニア(快楽追求型)とユーダイモニア(生きがい追求型)である。

ヘドニアはいわゆる五感が感じる快楽で

美味しい食事や好きな音楽を聴くなど短期的な快楽である。

一方のユーダイモニアは自己実現、生きがいや人生の意味に関わる幸せであり、

意義ある目標に向かって楽しいばかりではなく、

困難に立ち向かいながら生きている人生に幸せを感じるものである。

 

 

先頃、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の医学・血液腫瘍学のスティーブン・コール博士が

アンケートで人がどちらを追求しているかを調べ、

その後、その方々の遺伝子発現を調べたところ興味深い結果がでた。

研究の協力者に後で挙げる4つの行動を4週間とってもらい結果を測定すると、

ユーダイモニア的幸せの人はCTRA反応が低いという結果であった。

このCTRA遺伝子群とは、慢性的な炎症を引き起こす特徴を持ち、

アルツハイマーや動脈硬化を引き起こしたり、

免疫力やウイルスへの抵抗を低下させたりする遺伝子群である。

対してヘドニア的幸せの人はストレスが高い人と同じくCTRA反応が高かった。

 

 

どちらの「幸せ」も脳にはプラスの影響を与えるが、

遺伝子の発現にはユーダイモニアのみが好影響を及ぼしたのだった。

因みに、4つの行動とは、

  1. 普段と変わらない生活
  2. 世の中に向けた親切な行動を1日3回とる
  3. 他者へ親切な行動を1日3回とる
  4. 自分への親切を1日3回とる

である。

 

 

 

 

 

その結果が上のグラフである。

ここから見て分かるように、「3」のみがCTRA遺伝子群を不活発にする効果があると明らかになった。

不思議なのは「2」が「4」や「1」と程度の差はあれCTRA遺伝子群を活性させたことである。

「世の中」という抽象性がそうさせるのであろうか。

驚きであるが「1」より「4」の方が断然CTRA遺伝子群を活性化させた。

「人への親切行動」により人間関係も良好になり、仕事がうまく進み、

自分も健康になるということであるから実践しない手はない。

 

 

※この内容は今年の7月13日~16日にカナダのケベック州モントリオールで開催された

国際ポジティブ心理学の学術団体IPPAから(株)ビジネスコンサルタントの萩原氏の報告に

全面的に依っている。

 

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