東大セミナー通信

2021.06.01保護者通信

今月のおススメ本:より良い親子のコミュニケーションに!『この「言葉がけ」が子ども...


皆さんこんにちは。東大セミナーの篠原です。

今月おススメする本は“この「言葉がけ」が子どもを伸ばす!”です。

 

著者名:汐見 稔幸

出版社: PHP研究所

価格(税込):481円

 

 

 

1この本をおすすめしたい人・本の概要


 

この本は

  • ・親として子どもの成長にどう関われば良いかお悩みの方
  • ・子どもにより良く成長してもらいたいと思保護者の方

 

におススメの本です。

 

著者は、教育学、教育人間学、保育学、育児学を専門としています。本書を通して子どもを伸ばすコミュニケーションの方法と、子どもの成長のプロセスを知ることができるので、上記のような悩みの解決に役立つ本といえるでしょう。

著者が保育や育児も専門としているためか、会話の内容はやや幼児~小学校低学年向けの内容となっていますが、基本的な子どもへのスタンスはあまり変わらないのではないかと思います。

次の項目からは、本書を通して私が大切だと思った内容を掲載いたします。

 

 

 

2子どもを育てる上で大切なことの1つは「自信を持たせること」

「ああしなさい」よりも「あなたはどうしたい?」


 

「自分って案外いいじゃない」「私ってけっこういいかもしれない」という、自分に対する素直な肯定感覚を子どもに抱かせることが、子育てにおいては大切だそうです。背伸びしない素直な自分を、自分で「それでいい」と受容している感情。これを育てるにはできるだけ子ども自身に、「自分で選ばせる」ことが重要です。選択の自由を子どもに与えることで、子どもは様々なことを考え、葛藤します。この葛藤こそが、子どもの「自分で考える力」を育てる源になるのです。「ああしなさい」「こうしなさい」と指示されると、やったことが上手くいかなかったときに、子どもは「親に言われてやったことだから」と、それ以上自分で考えなくなります。けれど、自分で決めたことであれば、たとえ失敗したとしても、また考え直すことができます。「自分で考え、自分で決めて行動する」。このことで初めて本当の達成感が得られ、自分への自信につながるのだそうです。

 

 

 

3子どもの発達は何かにハマっているときに加速される

「あんた、おかしいんじゃない?」よりも「ずいぶんがんばれるのねえ」


 

子どもの発達は、何かにハマっているときに加速するそうです。何かにハマるときを専門的には「敏感期」(臨界期)といいます。皆さんにも子どものころ夢中になって取り組んだことはありませんか?人間には1つの能力を身に着けると、それを使ってどんどん自分の世界を広げようとする本能があり、その本能が満たされていると「快の感情」が伴います。子どもは、自分が夢中になってハマれるものを通して、自分の自由の幅を広げようとするのです。こういうときは、子どもは自ら積極的に行動し、脳の活動も活発なようです。しかし、いやいや取り組んだ場合には、脳はあまり働きません。「好きこそものの上手なれ」と言われますが、これは脳科学的にも本当のことだったのですね。

 

是非、お子さまが夢中になって取り組めることがあれば、それを応援してあげることが望ましいでしょう。今は大人からムダだと思えるようなことに夢中になっていたとしても、それが勉強や文化的なことに変わっていくと良いですね。

 

 

 

4「がんばる」の語源は「我を張る」。よほどのとき以外は無理しなくとも良い

「根性ないなあ」よりも「リラックス、リラックス」


 

「がんばる」という言葉の語源をご存知でしょうか?もともとは仏教用語で「我を張る」という言葉だったそうです。「我を張ってはいけない」「我執[1]にとらわれてはいけない」という仏教の基本的な教えに背くものだったので、「がんばる」は江戸時代までは否定的な意味だったそうです。明治になり、西洋に追いつくために「多少の無理は仕方がない」、「耐えねばダメだ」、という価値観が広まったことで「がんばる」がプラスイメージに変わったといわれています。しかし、無理や我慢はいつまでも続くものではありません。「がんばるのは良いこと」と思って無理や我慢をし続けていると、体や心がSOSを発信していることにも気づくことができません。遊びやゲーム感覚で取り組んでいることには「がんばれ」とエールを送っても大丈夫ですが、「子どもがムリをしているな」と思うときは、「がんばれ」ではなく、「リラックス、リラックス」などと声をかけるのが良いでしょう。

 

[1]自分だけの小さい考えにとらわれて、それから離れられないこと。我(が)を通すこと。

 

 

 

5表現することは生きることそのもの。

私たちは自分の感じたことを素直に表現することに慣れていない。


 

日本では子どものしつけの目標に、「親の言うことをきく、素直な子」がいつも上位に来るそうです。この目標は、「子どもがその時感じたことを素直に言葉にするのではなく、子ども自身の感情を抑えて、親の言うことに従わせることだ」と本書では指摘されています。日本人は往々にして周りが求めているものや、世間がよいと言ってくれることを言わなければならない、と考えてしまう。それ故に、子どもにも、子ども自身の考えではなく、世間が同意してくれそうな態度や発言を求めてしまうのではないでしょうか。

 

子どもは表現することで成長するのです。というより、人間は表現することで生きていくのです。これは大人にも通じることです。

 

それぞれが表現しながら生きている。そして、それをたがいに認め合う。安易に既存の道徳や常識に染まらない。考えて納得して価値観を身に着ける。

もしもお子さんが、世間がよいと言わないような考えを持っていたとしても、それこそがその子のありのままであり、まずはそのありのままの考えを認めることからコミュニケーションが始まります。また、そこから家族や周りの人のコミュニケーションを経て、子どもの表現や考えが洗練されていくのだと思います。

 

 

6子どもを育てたお母さんは、みんなそれぞれに「いいお母さん」

弱点こそその人の個性であり、弱点を隠さないところに良さがある。


 

私がこの本の中で最も良いと思った言葉は” 子どもを育てたお母さんは、みんなそれぞれに「いいお母さん」”というものです。この本を手に取る方は、恐らく「もっと頑張らなきゃ」「良いお母さんにならなきゃ」と思っている方が多いと思います。でも、「皆それぞれに良いところがある」「弱点こそその人の個性」と考えると、少し肩の力を抜いて、余裕を持ったものの見方をすることができると思います。以下に、本書の中で印象に残った部分を記載いたします。

 

その人のよさは、その人の中に隠れています。身の丈に合わない自分への過度な要求は、ストレスにしかなりません。

サイズの合わない服は着ることができないし、自分に似合わない洋服を着ることはないのです。あなたは、あなたでいいのです。子どもを育てているお母さん、子どもを育てたお母さんは、みんなそれぞれに「いいお母さん」なのです。

弱点はいっぱいあります。むしろ弱点こそその人の個性。それを隠さないところに、お母さんのよさが見えてきます。できたらよそ行きの、どこかの模倣の「いいお母さん」を演じるのはやめましょう。あなたは、あなたなりにやるのがいちばんいい。あなたは十分に個性的な「いいお母さん」、そして「すてきなお母さん」なのです。

 

冒頭で、「自分って案外いいじゃない」「私ってけっこういいかもしれない」という、自分に対する素直な肯定感覚を子どもに抱かせることが子育てにおいて大切だと書きました。そういった感覚を子どもに持ってもらうには、まず、私たち大人自身が、自分のありのままを認め、自分に対する肯定感覚を持てるようになることが大事なのではないでしょうか。

 

是非この本を通じて、親子のコミュニケーションがよりいきいきとしたものになれば幸いです。

 

 

 

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