東大セミナーブログ

2021.12.28保護者通信

今月のおススメ本:「学校、行かなきゃいけないの?: これからの不登校ガイド」


皆さんこんにちは。東大セミナーの篠原です。

今月のおススメ本は「学校、行かなきゃいけないの?: これからの不登校ガイド」です。

 

 

著者:雨宮処凛

出版社:‎ 河出書房新社

価格(税込):1540円

 

 


目次

1.「学校、行かなきゃいけないの?」と、悩んでいる当事者におススメの1冊

2.「不登校」は何故増えているのか

3.不登校はひとつの「適応」


 

 

 

1.「学校、行かなきゃいけないの?」と、悩んでいる当事者におススメの1冊


文部科学省によると、令和元年の小・中学校における不登校児童生徒数は18万人。1,000人当たりの不登校児童生徒数は、平成10年度以降、過去最多の数字となりました。少子化の中でも不登校の生徒の人数は増え続けているのです。

本書には、不登校の当時者、保護者、支援者など、様々な視点から不登校の実情や体験談が書かれています。今「学校に行きたくない」と悩んでいる生徒の方に、色々な考え方や選択肢があることを教えてくれる一冊です。

「学校に行きたくない」という悩みを抱える方の中には、「皆学校に行っているのに、自分だけ行かないとサボっていると思われそう」「学校に行かないと人生が終わる気がする」と考えてしまい、更に自分を追い詰めてしまう場合もあるのではないでしょうか。そんな辛い気持ちも、色々な選択肢や考え方を知ることで、和らげることができると思います。

 

 

 

2.「不登校」は何故増えているのか


本書に登場する精神科医の松本俊彦さんによると、不登校が増え続けている原因は、「学校が基本的に苦しいものだから」だそうです。学校における子どもたちの管理は、刑務所や軍隊をモデルにしています。学びの場とともに収容所でもあるから、「苦しくて当然」なのだそうです。確かに、度々体育館に整列して体育座りし、整列する時に「前ならえ」するのは、学校から出たら、ほとんど行う機会がありません。

現在は、昔に比べて校内暴力が減ってきましたが、その分、悪目立ちしないよう、いじられないよう、秒単位で変わる教室の空気を読み、瞬時に自分のヒエラルキーに見合った表情や立ち居振る舞いを行い、なおかつSNSにも気を配り・・・と私たち大人が子どものころ以上に、今の子どもたち同士は繊細な神経を必要とするコミュニケーションを行っているようです。

そんな中、疲弊してしまい不登校の生徒が増えてしまっているのかもしれません。

 

 

 

 

3.不登校はひとつの「適応」


私が本書の中で最も印象に残ったのは、精神科医の松本俊彦さんの”自傷も不登校も、一番困難な問題に対してのその人なりの対処法”という言葉です。「え、不登校や自傷が“適応“なの?」と思われるかもしれません。

しかし、一時的には「死にたいぐらいつらい今」を生き延びるには役立っているのだそうです。もちろん、自傷は繰り返していくとエスカレートしてしまいます。しかし、極めて短期的には自殺を延期する効果もあるそうです。一見問題行動に見えることも、適応的な部分があるのです。

自傷行為をして、誰にも言わない人と、誰かに相談した人との違いを調べてみると、誰かに相談しなかった人の方が、うつ状態が深刻だったり、自尊心が低く、他者に対する不信感が強いという結果がでました。

自傷行為は、ただ単に自分の身体を傷つけることだけを言うのではなく、その後に傷の手当てをしないこと、切った背景にはこんなことがあったと誰にも告白しないことも含めて自分を傷つけている行為なのです。つまり、自傷の本質は「つらい感情をなかったことにすること」なのです。

そう考えると、「学校がつらい」という気持ちに対して蓋をせずに、不登校という選択をとるということも、辛い状況に適応するための行動と言えるのかもしれません。

 

 

「学校がつらい」という悩みを抱えているお子さんや、その保護者の方にとって、本書が少しでも問題解決のお役に立ちましたら幸いです。

 

 

 

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