みなさん、こんにちは。
東大セミナーの大木です。
春の始まりと共に、新たな学年がスタートしました。
生徒の皆様も、大きな期待と不安を胸に新たなスタートを切ったことでしょう。
さて、永らく続いてきた日本の教育形態も、2020年を目前に大きく変わろうとしています。
この変革期を迎えるにあたり、我々東大セミナーも、積み上げてきた歴史を尊重しつつ、
時代が求める人材を育成するために、新たな取り組みを実施して参ります。
その取り組みが「ダブルアップコーチング」です。
まず、「コーチング」という言葉ですが、
これは今まで教育にはあまり馴染みのない言葉でした。
スポーツの世界では「コーチ」という役割が昔から一般的に存在していました。
主役はあくまで選手であり、コーチは選手の声を聞きながら、
最大限のパフォーマンスを引き出すお手伝いをする存在です。
文部科学省は、「主体的・対話的で深い学び」を子どもたちに修得させることを
日本の新たな教育の目標に掲げ、今回の教育改革に着手しました。
これまで認識されていた学力の定義は「知識・技能」に偏っていましたが、
そこに「思考力・判断力・表現力」といった知識を活用する力と
子どもの「主体性」を盛り込み、
人工知能の発達やボーダーレス化によってより高い個人の質が求められる時代において
活躍できる人材の必要条件である「深い学び」を実現していこうという趣旨です。
このような新たな教育を実現していくために必要なのが「コーチング」です。
教育の世界では、これまで「ティーチング」が主流でした。
なぜなら学力とは「知識・技能」であるという認識が、世間一般に広く浸透していたからです。
しかし、これからの時代における学力とは、「知識・技能」を前提にそれを活用し、
主体的に学ぶことを指します。
これに伴い、当然教育の現場で求められる指導は、
先生が主役の知識伝達型の「ティーチング」ではなく、
生徒が主役で生徒の主体性を引き出す「コーチング」ということになります。
昨今よく耳にする「アクティブラーニング」がその一例です。
東大セミナーでは、「セルフレクチャー」[1]や「生徒インタビュー」[2]という形で
この「コーチング」を実現していきます。
「ダブルアップコーチング」の「ダブル」とは、生徒様と保護者様を指します。
東大セミナーは生徒コーチングだけでなく保護者コーチングにも重点を置いています。
なぜなら、塾の第一義的使命は生徒の学力を伸ばすことですが、
生徒の学力を伸ばすには、生徒自身へのコーチングだけでなく、
保護者様に対するコーチングも不可欠であることが
昨今の研究によって明らかになった[3]からです。
我々指導者も含め、大人世代は知識修得に重点を置いた「古い」教育を受けてきました。
しかし、これからの時代を生きる子どもたちは知識に加え、
活用力と主体性を修得する「新しい」教育を受けていきます。
したがって、我々大人世代が価値観を変容させることは、
子どもの学力観を正しい方向に導き、
彼らに時代が求める力を修得させるために不可欠であるといえます。
「保護者の価値観の変容は子どもの価値観の変容を生み、子どもの学力が向上する」。
この考えを軸に、東大セミナーは教育者として学び続け、
その成果を保護者様に還元していくことを大きな使命の一つと認識し、
「保護者会」[4]や「三者ミーティング」[5]を通して、保護者コーチングを実施していきます。
本コラムは、保護者会での様子や、新たな教育研究成果を発信する場として、
年間を通して更新して参りますので、今後とも宜しくお願い致します。
また東大セミナーは、このような情報を地域社会全体に発信し、
一人でも多くの石川県の子どもたちの学力を上げ、
世界にイノベーションを起こすことができる人材を輩出することで、
この石川の地に貢献することを最大の理念としておりますので、
東大セミナーにお通いでない方々に対しても、
読者の皆様から「知のバトン」という形で本コラム内容を発信して頂ければ幸いです。
[1] 先生が生徒に知識伝達を行ったあとに、生徒が先生にそれを説明する授業形態。
ラーニングピラミッド(National Training Laboratories「Learning Pyramid」)によると、
この形態は通常の知識伝達型授業に比べ、生徒の知識修得率が約18倍になるといわれています。
[2] いわゆる「生徒面談」。
しかし、先生が一方的に教務指導を実施する「生徒面談」とは異なり、
生徒自身に課題を発見させ、その解決策を思考・発信させることを目的としているため、
東大セミナーでは「生徒インタビュー」という名称にしています。
[3] ベネッセ総合研究所 浜野隆「家庭での環境・生活とこどもの学力」
[4] 中3生、高1生、高2生は4月~5月に実施済み。次回は6月開催予定です。
[5] いわゆる「三者面談」。
しかし、先生が一方的に教務指導を実施する「三者面談」とは異なり、
生徒様・保護者様・担任の三者がチームとなり、生徒の主体性を引き出し、
その意思を尊重し、三者で共有する場とすることを目的としているため、
「三者ミーティング」という名称にしています。
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