東大セミナー通信

2020.10.31塾長メッセージ

環境と人間


 

 

人間の性格に与える環境と遺伝の影響が

よく議論の俎上に上る。

 

学問上は2つとも大きな影響を与えるのだろうが、

遺伝についてはいまさらどうしようもなく、

どうしても

後天的な環境についての議論が多くなる。

 

私の妻は相田みつをの

「育てたように、子は育つ」

の言葉をことのほか気に入っている。

 

私はどちらかというと若干その言葉に抵抗があり、

人間業でどうにもならないことも

あるのではないかとつい考えてしまう。

 

妻はやはり何といっても

我が家の子育ての中心に居たことは間違いなく、

その責任感から先ほどの言葉に共感したのだろう。

そう思うと「むべなるかな」である。

 

近ごろ気に入っているシンガーソングライターに

小田純平という方がいる。

彼の「半歌~愛しき人」の一節に

「生きたつもりが生かされて、

 今尚、名も無き道半ば」があり、

恰好いいなと思ってしまう。

 

 

さて、これから受験生には

志望校決定という重要なことが待っている。

様々な理由から志望校を決めるわけであるが、

何といっても現時点での学力が重要な指標になる。

 

その際に、学力が十分であるのに

志望校を下げる生徒が毎年何人かいる。

 

安全を期する気持ちからそうする場合がある一方、

「上位高校の下位にいるより

 一ランク低い高校の上位にいる方が良い」

とする保護者や生徒が偶にいる。

 

はたして、そういうものであろうか。

 

今から3年ほど前に「学力の経済学」という本が

教育界で話題になった。

学校関係者でも注目され良く読まれたようだ。

教育と言うと政府の各諮問会議などで

往々にして識者の個人的主観、

思い込みで語られることが多く、

教育にもエビデンス(科学的根拠)が

必要というのが著者の主張である。

 

 

それによると

「平均的な学力の高い友達の中にいると、

 自分の学力にもプラスの影響がある」

ということだ。

 

俗に言う「朱に交われば赤くなる」に

近い言葉で首肯できる。

 

しかし、私たちはこと教育となると

何故か考えすぎてしまう。

 

上位高校の下位にいるような生徒は

一つ下の高校でも

上位に入ることは容易なことではない

というのが私の実感である。

 

ここは環境の持つ影響力を考慮して

妥協することなく

志望校を目指して欲しいものである。

 

 

 

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