仕事には普段の日常生活と違って
厳密さが求められることが多い。
そうでないと意思の疎通に支障をきたすなど
無駄が生ずることが多い。
また仕事の振り返りに当たって、
漠然として成果に結びつきにくい。
その点、定義がなされていれば
仕事上の行動を他人の指摘を待つまでもなく
自ら検証できる。
「自問自答」という
古くからある行動様式においても有効である。
例えば、「マネジメント」については
「他人を通して事をなすこと」という定義がある。
これは「経営戦略の論理」という書籍で
つとに有名な
一橋大学名誉教授伊丹敬之氏の定義である。
実に簡単明瞭で分かりやすい定義である。
人によっては他人に任せることをせず、
何でもかんでも自分でやらないと
気が済まない人がいる。
確かにその方がより成果を出す場合もあろうが、
いずれその限界も必ず訪れる。
仕事の拡大再生産につながらず、
組織の成長にとっても阻害要因となる。
他人に任せて、たとえ失敗しても
それがその人の成長につながれば、
それはそれで財産である。人は失敗で成長する。
「失敗のない人生は挑戦をしていない人生である」
という箴言があるがその通りだと思う。
また、私たち塾の仕事で重要な
「モチベーション」という言葉がある。
通常「やる気」といった程度の意味で
使うことが多い。
これも定義をすることで
仕事の振り返りに大いに役立つ。
この「モチベーション」については
世界の経営理論としても重要なテーマであり、
近年は以下の3つの項目からなる
定義が有力となっている。
①行動の方向性
②行動の程度(活力・規模)
③行動の継続性、である。
よってモチベーションとは
「人を特定の行動に向かわせ、
そこに熱意を持たせ、継続させる」
ということになる。
生徒の指導に当たって実に有益な定義である。
実はこれにとどまらず、
「プロソーシャル・モチベーション」
(他者視点のモチベーション)といって、
「世の中のため、人のため」といった
他者視点を合わせ持つことで
より行動の持続性が高まり、
パフォーマンスや生産性が向上することが
経営学会で報告されている。
私たちの仕事の対象は生身の人間である。
如何にその心の琴線に触れるかが大事で、
これらの成果を
仕事に活かしていきたいものである。
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