人生には黄金律があるらしい。古今東西の宗教・哲学・思想を突き詰めればこの黄金律になると言う。
それは、「自分の欲しないことを他人に施すな」裏を返せば、「自らの欲するところを他人に施せ」ということだ。 有名な論語に「一言にして以て終身これを行なうべきものあるか」の弟子の質問に「それ恕(じょ)か。汝の欲せざる所は人に施すことなかれ」と孔子が答えている。
「恕」とは相手の立場になることにより、思いやりの心が生まれることをいう。 辞書では端的に「思いやり」などとでている。この「恕」という言葉は黄金律を見事に一言で言い表している。
結婚式の披露宴で年配のゲストが新郎新婦に贈る言葉としても、つとに有名で私なども以前にお祝いの言葉として引用したことがある。
会社によっては「恕」の一字をもって会社理念として掲げているところがある。
もっとも、黄金律といえども運用を誤ると少しおかしなことになる。相手に対する正当な指摘であっても、嫌がられるとつまらないからあえて行なわないといったことである。 特に会社などのような目的達成を目指す機能体的組織にあっては、なおさら気をつけなければならない。 たとえ家庭などの共同体的単位であっても「躾」においては一時的に子供に嫌がられても愛情を持って教育すべきと考える。
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