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2021.05.04入試対策

国立大学入試における大学入学共通テストの位置づけ


みなさんこんにちは。

東大セミナーの大木です。

 

以前、ブログにて

国公立大学 二次試験について

という記事を掲載しましたが、

今回は、国公立大学入試における

大学入学共通テストの位置づけ

についてお話します。

 

なお、本文中の配点や開示情報は、

全て令和3年度入試の数値です。

 

 

 


目次

1 国立大学入試の仕組み

2 国立大学入試における

  大学入学共通テストの位置づけ

3 二次試験科目の大学入学共通テスト得点

4 まとめ


 

 

 

 

1 国立大学入試の仕組み


 

こちらは前掲の記事との重複になりますが、

改めて、まずは、国公立大学の入試の仕組みから

みていきましょう。

 

国公立大学の入試は、大学入学共通テストと

2次試験の二つの試験の得点の合計で

合否が決まります。

 

大学入学共通テストは、

900点満点のマーク試験で、

全受験生が同じ問題を解きます。

 

一方、二次試験は配点、

問題内容共に大学によって異なります。

 

この二つの試験を組み合わせて

合否判定を行うため、何点満点の試験になるかは、

大学によって異なることになります。

 

加えて、大学入学共通テストの満点は、

大学側が自由に変更(換算)できる点も要注意です。

 

例えば東京大学の場合は

900点満点の大学入学共通テストを

110点に圧縮換算します。

 

これに440点満点の二次試験を加え、

合計550点満点の試験で合否判定を行います。

 

金沢大学人間社会学域法学類の場合は、

900点満点の大学入学共通テストを

400点に圧縮換算します。

 

これに600点満点の二次試験を加え、

合計1000点満点の試験で合否判定を行います。

 

このように、大学によって、

大学入学共通テストの重要度(配点)が

変動するのが、国公立大学入試の大きな特徴です。

 

 

 

2 国立大学入試における

  大学入学共通テストの位置づけ


 

では、大学入学共通テストは

国公立大学の入試においてどれほど重要なのか。

 

上記のとおりですから、大学入学共通テストが、

重要なのか否かは、実は志望校によって異なります。

 

もちろん、合格者平均点から

著しく乖離している場合などは除いてですが、

一定の水準をクリアしている前提であれば、

第一志望校の配点によって重要度は異なってきます。

 

例えば難関10大学の一角である

東京工業大学の場合は、

大学入学共通テストは第一次選抜

(倍率が一定を超えた場合に、

二次試験受験資格を付与するか否かを

大学入学共通テストの点数によって決定する選抜)

でしか使用しないため、大学入学共通テストは

それほど重要ではないということになります。

 

また、東京大学のような配点においても、

総得点に占める大学入学共通テストの

配点割合が20%と低いため、

やはり二次試験に方が重要ということになります。

 

一方で、富山大学経済学部経済学科の場合は、

大学入学共通テスト900点、二次試験300点、

合計1200点満点の試験となるため、

大学入学共通テストが非常に重要ということになります。

 

このような配点の場合は、

大学入学共通テストの得点によって

ほぼ合否が決定づけられることになります。

 

したがって、大学入学共通テストと

二次試験のどちらに軸足を置いて勉強するかは、

自身の第一志望校の配点を鑑みたうえで、

しっかりと把握し、対策していかねば

ならないということを覚えておきましょう。

 

 

 

3 二次試験科目の

  大学入学共通テスト得点


 

では、大学入学共通テストの

配点比率の方が大きい大学の場合は、

大学入学共通テストの対策だけで

十分なのかというとそうとも限りません。

 

例えば先ほどの

富山大学経済学部経済学科の場合、

二次試験科目は数学もしくは

英語のいずれか1科目で

配点が300点です。

 

そして同学科の大学入学共通テストの

合格者平均点は605.8点です。

 

仮に大学入学共通テストの得点が、

650点だった場合、同学科の合格可能性は

かなり高いといえますが、

その内訳が英語100点、数学100点、

国語170点、社会①90点、

社会②95点、理科基礎95点だった場合、

話は変わってきます。

 

二次試験科目である英数の得点率が

50%ということになりますので、

より難易度が高くなる二次試験での

想定得点はさらに低くなります。

 

仮に二次試験得点率を35%と仮定した場合、

二次試験の得点は105点

ということになりますので、

総得点は755点となります

(大学入学共通テスト650点+二次試験105点)。

 

そうすると、同学科の合格者最低点766.1点を

下回り不合格となるのです。

 

このように、

自身の第一志望校の配点によって、

大学入学共通テストの重要度は

変わるといえども、二次試験科目の

大学入学共通テスト得点を細かに見た場合は、

二次試験対策の重要度も

変動してくるケースがあります。

 

 

 

 

4 まとめ


 

大学入学共通テストは、

国公立大学二次試験に比べて難易度が低いため、

大学入学共通テストの対策を十分にしたうえで、

二次試験対策を行っていくということは

前提になりますが、今回は、

その前提で、戦略的に試験種別や

科目得点などを考慮して

学習スケジュールを見直してみる

という考えの例を一つ提示させて頂きました。

 

みなさまの学習の一助となれば幸いです。

 

 

 

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、38年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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