子どもの自己肯定感を高める親のコーチング術 - 金沢市・野々市市・白山市の塾なら東大セミナー
2022.04.14保護者通信

子どもの自己肯定感を高める親のコーチング術


皆さんこんにちは。東大セミナーの大木です。

今回のテーマは「子どもの自己肯定感を高める親のコーチング術」です。

 

以前、ダブルアップコーチングの記事でも書かせて頂きましたが、改めてこのテーマについてお話ししたいと思います。

というのも、教育の現場において我々は多くの子どもたちと触れ合ってきたと同時に、同じ数の保護者様とも触れ合ってきましたが、「普段、保護者様がお子さまにどう接しているか」という要素が、お子さまの教育上非常に重要な要素であるにも関わらず、その内容について、客観的に振り返り、改善しようと行動されている保護者様が圧倒的に少ないと感じるからです。

そしてその原因は、決して保護者様の怠慢ではなく、お子さまへの具体的な接し方や、ご自身の言動の客観的な振り返りの仕方に関する知識や情報が圧倒的に不足していることであると感じるからです。

 

 

そんな保護者の方々にお薦めするのがご家庭でのコーチング術です。

 

「コーチング」という言葉は、日本ではあまりなじみがないため、どうすれば良いのかわからない方も多いでしょう。

しかし、40万人を超える子どもたちにサッカーの指導を通してコーチングを実施してこられた池上正先生の著書「叱らず、問いかける-子どもをぐんぐん伸ばす対話力」の中に、その答えが記されています。

 

私自身この著書は何度も読ませて頂きました。

「大人が一番大人げない。」からこそ、子どもたちの自己肯定感が育たない。

ハッとさせられる気付きに満ちた一冊です。

 

そこで今回は、本書を参考に、改めてコーチングという観点から、子どもたちの自己肯定感を高める手法についてお伝え致します。

子育てや、ご家庭でのお子さまのサポートにおける、重要な学びの一つとして頂ければ幸いです。

 

第一歩は、「あなた自身を変えること」…。

 

 


目次

1.まず、自分を変える

2.自分自身が一番不安

3.「叱る」から「問いかける」へ

4.自身の経験を伝える

5.親の役割


 

 

 

1.まず、自分を変える


「子どものことが心配。」「失敗したどうしよう。」-。

 

そんな想いから、ついついお子さまに否定的な言葉を発してしまったり、干渉しすぎたりした経験は誰にでもあるでしょう。

しかしこれではお子さまのやる気は上がりませんし、ましてや自主性は育ちません。

 

いわゆる内発的動機(自らの中にある「これをやろう」という動機)がある状態が最も理想的で、人の行動力を最大化できるのですが、過干渉は本人の主体性を委縮させてしまいます。

受験合格という目の前の目標に対してもそうですが、その後の人生を考えても、子どもたちに主体性を持ってもらうことこそ、我々の最大の望みであるはずです。教育の最大の目的もそこにあります。

 

ですから、保護者様自身が、自らの行動を振り返り、過干渉してしまう原因と向き合い、自分の行動を変えていくことが大切です。

 

日々、お子さまに対するご自身の言動を振り返る時間を設けること。

これが第一歩です。

 

 

 

2.自分自身が一番不安


「結果を出せるか。」「良い点を取れるか。」といった不安から、子どもたちに「勉強しなさい。」「テストの見直しはしたのか。」など、ついつい言ってしまいますよね。

 

しかし、この発言の原因は、保護者様自身の不安であることを認識しなければなりません。

「あなたのために言っているのよ。」は、本当は「私が不安だから言っているのよ。」なのです。

 

自身の不安を抑えられずに発してしまう言葉は、子どもたちに響きません。

なぜなら、そこでは子どもたちの感情や想いが置き去りにされているからです。

一番不安なのも、一番何とかしたいと思っているのも子どもたち自身です。

その子どもたちの感情や想いを置き去りにした言動に対して、きっと彼らはこう答えるでしょう。

「言われなくてもわかっている。」「うるさい。」-。

 

これに対してさらに叱ってしまっては、もう…。

 

これはシグナルなのです。

自身の不安を抑えられずに、お子さまに過干渉しているということに対する警告なのです。

ですからこのような場合は、大人が一度立ち止まり、自らの言動とその原因を省みる必要があるのです。

この点を省みずに日々を繰り返していくと、子どもたちにあなたの言葉はもう響きません。

あなた自身も子どもたちの気持ちを置き去りにしているのだから当然です。

 

「私はあの子にどのような言葉を投げかけたのか」「そして私はなぜそのような言葉を発したのか。」-。

「子どもたちの気持ちを考えながらご自身の言動を振り返ること」が大切なポイントです。

 

 

 

3.「叱る」から「問いかける」へ


では具体的にどうすべきか。

 

答えはシンプル。

「叱る」から「問いかける」にシフトすれば良いのです。

「宿題やりなさい。」ではなく、「今日は何を習ったの?」「わからないところはなかった?」と問いかける。

 

要するに、「宿題やったのかしら。」という自身の不安から「宿題やりなさい。」と発言するのではなく、「この子は今日何を習ってどんな気持ちになったのだろう。」「わからなくて困っていることはないかしら。」という子どもたちの感情や想いに寄り添って「今日は何を習ったの?」「わからないところはなかった?」と発言するということです。

 

すると、わからないところがあれば子どもたちは「宿題をしなければ」と思うのです。「テレビ見るのやめなさい。」(「テレビ見てて勉強が遅れたら大変!不安!」)ではなく、「何か手伝えることはある?」(「もしかして困っていることがあるのかしら。」)と問いかける。常に子どもたちの感情や想いに寄り添って発現することを心がける。

 

すると、子どもたちは「テレビ見終わったら少し勉強するか。」と思うのです。

大切なのは、彼ら自身に考えさせて判断させて行動させることです。

 

もちろん時間はかかります。

 

でも考えてみて下さい。

大人だって自分の習慣を変えるのはとても大変だと思いませんか?

あなた自身、この一年でいくつ習慣を変えられましたか?

 

 

 

4.自身の経験を伝える


保護者様自身の経験談をお子さまに伝えるのもとても大切なことです。

例えば自身の学生時代の受験勉強の話や、部活の話、友人関係の話などです。

なぜなら、このような時間をお子さまと持つことは、感情の共有を実現してくれるからです。

そして、辛かった、楽しかった、悲しかったというリアルな感情を伴う話(ストーリー)は、聞き手の心を最も動かしてくれるからです。

勉強に関する話に限らず、保護者様の人生を、ストーリーにして真っ直ぐ伝えてあげて下さい。

 

注意すべき点としては、自慢話はしないこと。

成功の自慢話はプレッシャーにしかなりません。

 

むしろ失敗談を伝える方が、「失敗しても大丈夫」「失敗があったから今がある」ということを、子どもたちに伝えることができるでしょう。

 

 

 

5.親の役割


親は、子どもにとって、安心して頼れる存在でなければなりません。

安心して頼れる存在がいるからこそ、子どもの自主性が育つからです。

子どもが失敗したとき、想定していた結果を出せなかったとき、そんな時こそ大人が「大人の対応」をして、子どもが安心して次のトライに踏み出せるように導いてあげなければなりません。

その失敗を一番残念に思っているのは他ならぬ子ども自身なのですから。

 

そこで叱ってしまうのは、その失敗・結果が自分自身の高すぎる要求に起因していることを認めたくないという「大人げない対応」(具体的には、本当は保護者様自身が設定したあるいは期待した目標に対してお子さまが到達できなかったことに対する不安からの叱りであるのに、失敗した当の本人であるお子さまの感情を置き去りにして、あたかもお子さま自身に問題があって、「『あなたのために』言っているのよ。」と叱ってしまう大人げない対応。)であることを理解しておきましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。

 

自分を変えるのって大変ですよね。

でも、お子さまを変えられるかどうかは、保護者様自身が変われるかどうかと同義なのです。

 

「受験合格」という目の前の目標に視野を捉われることなく、子どもたちに主体性ある人間に成長してもらうことこそ教育の最大の目的であることを胸に、ご家庭でのコーチング、お子さまへの声の掛け方を見直してみてはいかがでしょうか。

 

まずは、今日のお子さまへの発言とその時のご自身の心情を振り返ってみましょう。

その日々の積み重ねが、お子さまの自己肯定感を高め、彼らの幸せな人生を創造していく一助になるのです。

 

 

 

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、38年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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