共通テスト攻略法!公民(倫理・政治経済)編 ~予備校流 高3秋からの大逆転法~ - 石川県金沢市・野々市市・白山市の学習塾 - 東大セミナー
2021.12.25入試対策

共通テスト攻略法!公民(倫理・政治経済)編 ~予備校流 高3秋からの大逆転法~


皆さんこんにちは。

東大セミナーの堀越です。

今回は、公民科目(倫理・政治経済)の勉強法を、主に共通テスト対策の観点からお伝えします。

 


目次

1.はじめに

2.大逆転のための4ステップ
2.1. ステップ1:概念理解
2.2. ステップ2:基本用語の暗記(マーク模試得点率:~50%)
2.3. ステップ3:マーク式演習(マーク模試得点率:50%~80%)
2.4. ステップ4:データ(図表)・原典資料問題の対策(マーク模試得点率:80%~100%)

3.まとめ


 

 

 

1 はじめに


大学受験における公民科目と言えば、理系では使う受験生はほぼおらず、文系の受験生でも社会科の中ならば地理歴史よりも優先順位が下がる、使用頻度の低いマイナー科目というイメージが強いかもしれません。学校や塾でも「習得に時間のかかる英語や国語が最優先、社会の中でも日本史や世界史は暗記量が多いため、早く取り組まなければいけません」といった具合に、公民の学習は最後の方に追いやられてしまいがちです。

大学入試における公民科目の立ち位置は、以前別の記事にて詳しく説明しています。

 

共通テストはどう変わる?科目ごとの特徴を徹底解説【公民編】

 

上記の記事では、主に公民が地理歴史科目と比べて必要な暗記量が少ない分、比較的得点しやすい科目ではあるものの、他方で大学によっては入試科目として選択できないこともあるので、よく調べたうえで選択するべきだということについて、お話ししています。

そんな、地理歴史と比べるとやや肩身の狭い公民科目ですが、取得者には絶対的に有利な点があります。それは「全範囲習得までの早さ」。高校3年生で夏休みも終わり、志望校の合格点までまだまだ……という人も、まだ間に合います!公民科目をいち早く完成させて、合格までの道のりを一気に縮めましょう。

 ではここから具体的な勉強方法について、主に共通テストで高得点をとることを念頭にお話ししていきます。

 

 

 

2 大逆転のための4ステップ


2.1. ステップ1:概念理解

公民科目に限らずどの科目でも言えることですが、勉強のファーストステップは科目の全体像を掴むことです。ここでのポイントは「可能な限り最速で終了させること」。細かな用語の理解や正確な数値の暗記は後回しでも構いません。政治経済であれば制度の概要や経済施策の変化、倫理であればそれぞれの思想とそれに対する批判など、その科目の重要なポイントに絞ってスピード感をもって終わらせることが重要です。先に全体像を理解しておくことで、その後のステップで個別のテーマを扱う際に全体での位置づけが分かりやすくなり、結果として理解度が上がりやすいです。

では具体的にどのくらいの期間で終えるべきか、ということですが、ズバリ1か月半(40~50日)です!「そんなに早く…!?」と思うかもしれません。しかし逆に言えば、1カ月半の勉強で収まるくらい、要点を絞って勉強すべきということです。とは言っても、何ページもある教科書のどこが重要なポイントなのかを自分で判断するのは難しいでしょう。ここは参考書や映像授業など、既に要点を絞ってあるコンテンツに頼りながら、一気に進めていきましょう。

なお、この概念理解の段階ではなかなか成績に反映されづらいかと思います。模試で問われる大部分は細かな用語や数値の理解ですので、大枠の理解だけでは解けない問題がほとんどです。この段階で受験した模試の結果を見て「これだけ頑張ってるのに……」と落ち込む必要はありません。得点力はこの先のステップで身につけていきます。

 

 

2.2. ステップ2:基本用語の暗記
(マーク模試得点率:~50%)

一通りの概念理解を終えた後は、いよいよ得点を積み重ねるステップ。まずは徹底的に用語をインプット(暗記)していきましょう。暗記と聞くと苦い顔になってしまう人もいるかもしれませんが、その負担は地理歴史と比べればはるかに軽いと言えます。試しに、社会科各科目の用語集で収録語数を比較してみましょう。

社会科全科目の用語集を出版している山川出版社のもので比較します。地理歴史科目では世界史5600語、日本史10700語、地理3700語となっているのに対し、公民科目では倫理が3000語、政治経済が3100語と、かなり少ないことが分かると思います。地理は暗記よりも活用が重視される科目ということで収録語数が少ないですが、公民はその地理よりも語数が少ない上に、暗記だけでもかなりの得点を重ねることができる科目です。国公立大学に出願する上での最低ラインとも言うべき共通テスト得点率60%ほどまでは、基本用語とその説明を覚えていくだけでも十分到達できます。

逆に言えば、基本用語の理解が曖昧なままでは、どれだけ過去問など演習を繰り返しても点数は伸びてきません。入試が近づき焦りがあるかもしれませんが、まだ間に合います。必ずこのステップを繰り返しましょう。

具体的な暗記の方法は人それぞれあるかと思いますが、共通テスト対策という点で見た時に効果的なものを下にいくつか紹介します。

 

 

2.2.1. 一問一答形式の暗記

共通テストのようなマーク形式の場合、倫理であれば「人物―主張(思想)」の結びつきが、政治経済であれば「政策―効果(目的)」の結びつきが非常に重要です。そのため、「~~と主張した人物は誰か」「~~を目的とした政策は何か」という形で重要語句を問う一問一答形式の問題集を活用して、語句を暗記していきましょう。

またその際、重要語句の説明の中でキーワードとなる部分を見極めるようにしましょう。「”ベンサム”と言えば”最大多数の最大幸福”と”(量的)功利主義”だ」「”夜警国家”と言えば”小さな政府”と”ラッサール”だ」など、キーワードを押さえておけば共通テストで選択肢の正誤を考える時間を短縮できます。

用語の暗記は一問一答形式のワークを1周したくらいでは覚えきれませんから、およそ3周を目途に取り組みましょう。

 

2.2.2. カテゴリー型の暗記

覚える用語の数は地歴と比べて少ないと書きましたが、それでも片っ端から無秩序に覚えていくのは大変です。同じカテゴリーに属する用語は、下の例に示すような表などを活用して、まとめて覚えてしまいましょう。

〈例①:社会契約論を唱えた人物〉


〈例②:景気変動の4つの波〉

 

2.2.3. 最新情報の更新

公民科目は、受験科目の中で唯一と言っていいほど「毎年試験範囲が更新される」科目です。外国の大統領が変わった、戦争が勃発した、景気変動が発生した、などなど…。現代の社会を切り取って問題にする科目である以上、受験生は世界の最新情勢を捉え続けなければいけません。高校1・2年生で政治経済を習った受験生(現3年生や浪人生)は、習った当時の資料集ではなく、必ず最新年度版を購入してから受験勉強に入りましょう。各種資料の数字が、少なからず変わっているはずです。

 

2.2.4. 論理の整理

公民科目の各分野の中で、どうしても暗記だけでは戦えないのが経済分野です。世界の景気の変化が円高・円安にどのように影響するのか、需要/供給曲線はどのように動くのかなど、暗記ではなく「理屈」を学ぶ必要のある分野です(当然ですが、他の分野も理屈が分かればそれだけ覚えやすくなります。倫理の哲学分野など、根っこの理屈を理解するのが極端に難しい分野もありますが…)。

中途半端に暗記で乗り切ろうとすると本番思わぬミスに繋がりかねないので、ここは丁寧に理屈を押さえておきましょう。

 

 

2.3. ステップ3:マーク式演習
(マーク模試得点率:50%~80%)

徹底的な用語の暗記を終えたら、いよいよマーク式の演習です。マーク演習の目的は大まかに以下の3つです。

 

2.3.1. マーク形式への「慣れ」のため

第1の目的は、全てが選択問題として出題されるマーク形式の問題に慣れていくことです。上記のステップで暗記した内容も、問われ方が変わると途端に分からなくなったりすることがあります。これは出題形式に適応できるかという問題なので、本番と同じ形式の問題を繰り返し解く中で少しずつそのギャップは埋まっていくでしょう。「知っている知識で解ける問題で、確実に得点する」ことが、このステップでの第一段階です。

 

2.3.2. 知識の抜け漏れを補完するため

ある程度基礎的な用語を押さえていても、実戦形式の演習を繰り返す中で、必ず自分の知らない知識が要求される問題に直面します。それは前のステップでは押さえきれなかった少し高度な知識の場合もあれば、基礎的な知識のはずなのに何故か抜けてしまっていた知識の場合もあります。その知識は、演習後の復習で必ず自分のものにしましょう。繰り返していくうちに、自分の中の「知識の陥穽」が埋められていくはずです。

 

2.3.3. 暗記で対応できない問題形式を対策するため

主に倫理では、センター試験から共通テストに変わったことに合わせて、絵画を見てそれが描かれた時代背景や作者の表現したいことを推察する問題や、親子の会話から双方の主張の違いを考察する問題など、言わば「芸術学」や「論理学」の領域にあるような問題も出題されるようになりました。これらの問題を暗記のみで対応しようとするのは非常に困難を極めます。まずは共通テスト型のマーク演習を通じてそういった問題があることを認識してもらい、解答・解説を読んで解答に必要な根拠の導き出し方を身につけましょう。

 

 

2.4. ステップ4:データ(図表)・原典資料問題の対策
(マーク模試得点率:80%~100%)

最終ステップは、難関国公立大学を目指すならば狙いたい、得点率8割~10割のための対策です。

センター試験から共通テストに変わったことで、図表の読み取りや哲学者の著作からの引用など、いわゆる「資料問題」が激増しました。資料問題の正答率を上げていくには、まずは資料を正確に読み取る力が必要不可欠です。しかし入試問題で求められるのは、資料から直接判断できることだけではなく、そこにこれまで培ってきた「知識」を重ね合わせることです。

例えば、1970年代~2000年代頃の円ドル為替レート変動のグラフが示されたとします。この時政治経済選択者であれば、1985年のプラザ合意によって円安から円高へ急激に転じたことをぜひ思い出してください。これが、資料と知識の紐づけ作業です。ステップ2での暗記作業が徹底できていれば、それほど難しいステップではありません。公民学習の総まとめだと思って取り組みましょう。

 

 

 

3 まとめ


以上が、共通テストの公民科目(倫理・政治経済)で高得点を取るためのポイントです。地理歴史を含めた社会科全般では、基礎レベル(得点率50~60%)までは「暗記」で得点を伸ばすことができますが、そこから更に点数を伸ばすためにはより深い「理解」と、徹底的な「演習」が必要です。

 東進衛星予備校では、知識を効率的に暗記し、さらに理解を深める映像授業と、それを得点力に変えるための圧倒的な演習量を確保する共通テスト対策演習講座があります。公民科目に不安・課題があるという方は、ぜひ一度校舎までご相談ください。

 

 

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、37年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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