読解力アップのはじめの一歩 国語は問題の解き方を押さえるだけで点数が上がる! - 石川県金沢市・野々市市・白山市の学習塾 - 東大セミナー
2022.07.27勉強法

読解力アップのはじめの一歩 国語は問題の解き方を押さえるだけで点数が上がる!


皆さんこんにちは。

石川県金沢市・野々市市・白山市の学習塾 東大セミナーの山田です。

中学生のなかには、国語の読解問題が苦手だという人や、読解の対策が分からないと言う人が多いのではないでしょうか。確かに長文を読む力は一朝一夕で養えるものではありません。理解できる語彙を増やし、読むポイントを押さえ、問題演習を繰り返す必要があります。しかし、現代文の読解問題でも比較的短い期間で点数アップをする秘訣があります。今回は、読解力アップのためにはじめにやるべきことについてお伝えします。

 

 


目次

1.読解すべきものは本文だけではない

2.設問の読解から主題者の意図を捉える


 

 

1.読解すべきものは本文だけではない


「読解力が大事だ」という場合、その読解力とは論説文や小説などの本文を読み解く力を指すことが多いです。

それはまったくそのとおりなのだけれど、生徒にとって読み解くべき対象はもうひとつあります。

それは、「設問」です。

「傍線①~とあるが筆者がそのように考えるのはなぜか。○○字以内で書け」などの文章のことです。

そしてこの設問の読解は、国語の得点アップのためには本文の読解より重要だと言っても過言ではないほど大事なポイントなのです。

なぜなら、「どう答えるか」は「何を問われているか」によって決まるからです。

 

 

例えば、次のような問題があったとき、どのような解答になると考えられるか。

 

 1「西欧の名所絵葉書」、 2「日本の観光絵葉書」とありますが、西欧と日本では、建造物を絵葉書の中で、それぞれどのように扱っていると筆者は述べていますか。解答欄に示した表現に続けて、五十五字程度で書きなさい。

 

 

まず、問われているのは「どのように扱っているか」であるため、答え方は「~扱っている」となると考えられます。

また、「それぞれ」とあるので、解答の書き出しと後半の書き出しは「西欧の名所絵葉書では…、日本の観光絵葉書では…」となることも分かります。

この時点で、書き出しと結びの文の形がおよそ決まります。

さらにこの問題は「五十五字程度」という条件があるので、残りの部分をそれぞれ二十字前後の文章として本文から探せばよいということになります。

 

このように、設問の条件を整理するだけで半分以上は解答が出来上がっているのです。

しかも、答え方のおよそのことが分かるので、本文の該当箇所もただ傍線部の近くをやみくもに探すより、速く正確に探すことができるようになります。

つまり、設問の読解こそ、国語の点数アップのためにもっとも必要な読解力と言えるのです。

 

 

設問の読解はポイントを押さえれば短期間の練習で身に付きます。

ポイントは次のふたつです。

① 何を問われているか

② 条件は何か

「~とは何か」と問われれば「何」を答えなくてはいけないし、「~はなにか」と問われれば、理由を「~から」の形で答えなくていけません。何を問われているかを整理したうえで、「文字数は何文字か」「使わなくてはいけない言葉は何か」などの条件をチェックするようにしましょう。この2点について設問に線引きするのが効果的です。

これだけで短期間で得点アップも達成できるのです。

 

 

 

2.設問の読解から出題者の意図を捉える


当然といえば当然ですが、国語の問題は、本文を書いている人と問題を作っている人は全く別の人間です。

例えば、問題を作る人(学校の先生や教育委員会の先生など)は、ほかの作者が書いた論説や小説をもとに問題を作ります。

ですので、「傍線部~とあるが、筆者はなぜこのように考えたのか。○○字以内で書け」という問題を作っている人は、筆者ではないので筆者がそのように書いた本当の理由は分からないはずです。

分かるのは、本文から読み取れる筆者の考えであり、筆者がどのような言葉でその理由を述べているか、ということだけです。

 

問題作成者が問いたいのはまさにこの点です。

筆者の意見にしろ、その理由にしろ、「本文から読み取れる範囲で」正しく読み取ったかどうか問題を作っている人にはそれを正解にするための根拠があるはずであり、それは「ここを読み取ってほしい」という出題者の意図と言えます。

 

例えば、「傍線部そのようなこととはどのようなことか。」とあれば、傍線部の「そのようなこと」が何を指しているかを問いたいのであり、その指している部分にさらに指示語があればその内容を正しく理解できているか、などを問いたいということです。

つまり、この場合は、傍線部に含まれる指示語などの知識を使って内容を辿り言い換える力を試しているということになります。

 

出題者の意図が分かれば、問題を作った人が何を求めているかが分かるということですから、もちろん正解する力はアップします。

では、出題者は何を意図しているのか。

それを知る一番の方法は、自分で問題を作ってみることです。

手元にある入試問題の本文で、「もし自分が問題を作るならどこに傍線部を作ってどんな設問にするか」を考えてみましょう。

そして、解答も自分で用意し、友達や先生に解いてもらいましょう。

すると、なぜその答えになるのか根拠が必要なことに気づくはずです。

「傍線部の直前に〈しかし〉という接続詞があるから…」のように、問題を解くときに注目してもらいたい部分が出てくるはずです。

それを知ることこそが出題者の意図を知ることであり、本文を根拠にした解き方をするということなのです。

 

問題演習をして解説を確認したら、ぜひ一問作ってみましょう。

特別難しい問題を作る必要はありません。

指示語を見つけてその内容を問うだけでも出題者の意図を探る練習としては十分です。

そうするうちに「この問題は何を読み取らせようとしたのだろう」と考え、読解問題についてさらに深い視点をもつことができるようになります。解答力が確実に上がり、点数もアップすること間違いなしです。 

 

 

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【記事監修者】塾長 柳生 好春


1951年5月16日生まれ。石川県羽咋郡旧志雄町(現宝達志水町)出身。中央大学法学部法律学科卒業。 1986年、地元石川県で進学塾「東大セミナー」を設立。以来、37年間学習塾の運営に携わる。現在金沢市、野々市市、白山市に「東大セミナー」「東進衛星予備校」「進研ゼミ個別指導教室」を展開。 学習塾の運営を通じて自ら課題を発見し、自ら学ぶ「自修自得」の精神を持つ人材育成を行い、社会に貢献することを理念とする。

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