今月のおススメ本:21世紀の教育 子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点 - 東大セミナー

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2022.08.30保護者通信

今月のおススメ本:21世紀の教育 子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点


皆さんこんにちは。東大セミナーの平子です。

今月のおススメ本は「21世紀の教育 子どもの社会的能力とEQを伸ばす3つの焦点」です。

 

 

著者:ダニエル・ゴールマン (著), ピーター・センゲ (著), 井上英之 (監修, 翻訳)

出版社:‎ ダイヤモンド社

価格(税込):1,400円

 

 


目次

1.「今」を生きる、全ての人におススメの一冊

2.よりよく生きるために大切な「気づく力」―3つのフォーカス

3.まずは、「家庭での対話」から始める


 

 

1.「今」を生きる、全ての人におススメの一冊


世界累計500万部越えのベストセラー『 EQ こころの知能指数』の著者であるダニエル・ゴール マン氏と、こちらも世界200万部越えのベストセラー『学習する組織』の著者であるピーター・センゲ氏が、共著で「教育」をテーマに書いた一冊。しかし、内容においては、学校教育といったような限られた場での「教育」ではなく、人生のどこにでも存在する「学び」という点から触れられているので、子供に携わる保護者としてはもちろん、大人である自分自身に向けて時流をつかむことのできる、学びのある内容となっています。

 

 

2.よりよく生きるために大切な「気づく力」―3つのフォーカス


著者の2人は、これからの時代をよりよく生きるために、「すべてが相互につながっていることを理解し、そのためには気づきの力を身につけることが必要だ」と提唱しています。

まず、これからの時代とは、インターネットの普及やテクノロジーの発展などでかつてないほど相互依存している一方で、つながっていることに無意識で、どう関係しているか気づきにくくなってしまっている、結果、人との関係についても地球環境についても問題が迫っている時代を意味しています。そして、このような時代を迎えている今、よりよく生きるために必須と訴えているのが、本の原題にもなっている以下の「トリプルフォーカス」と呼ばれるものです。

 

フォーカス1—私たち自身へのフォーカス(inner)

私たち自身に注意を向ける自分が感じることが、なぜそのように感じているのかを理解したり、また、その感覚にどう対処すればよいかを知ること。自分自身にフォーカスできることは、目的を持っ て生きることや、目の前にあることに集中すること、気を散らせるものから距離を置いたり、自分のやっかいな感情と付き合っていくためのキーポイントとなりうる。3つのフォーカスの中でも特に重要とされる。

フォーカス 2— 他者へのフォーカス(other)

他者に注意を向ける。他者に気づき、理解すること。自分の見方からだけではなく、相手から見えている景色から、その人のリアリティが理解できて、そこから自分と相手が関わっていくということ。これは、誰かを思いやり、他の人と協働する力につながる。お互いに効果的につながっていく関係をつくっ ていくための、キーとなる力になる。

フォーカス 3—外の世界へのフォーカス(outer)

外の世界へ注意を向けるということ、より大きな世界を理解すること。システムがどう相互作用し、そこで、どのように相互依存する関係性をつくりだしているのかに気づくことである。

 

確かに、起きた瞬間から寝る直前までインプットの機会はあふれていても、自分の声を聞くことや、他者に思いを寄せたり、自分の行動がどう世の中と関わっているかに意識を向けたりすることはあまりないのではないでしょうか。結果として、複雑化したシステムの中で、目の前の問題に対処しきれず、生きづらさを感じてしまっていることも多いのではないかと思います。

自分の過去を振り返ってみても、ランニングやヨガをやっている時間が自分と対話する時間であり、それが有益だったと感じます。また、キャリアコンサルティングという分野を勉強しながら、自分や他者の価値観に触れ、その多様性を知ったことも、この「気づく力」の重要性を実感した経験としてあります。

また、近頃の様々な事件を見ていても、被疑者に「このような視点をもって捉える力があれば、何か違っていたのでは」と感じることも多くあります。

皆様はいかがでしょうか。

 

そして、ここで重要なのは、これらはスキルであり、後天的に身につけることができるものであるということです。つまり、学校や家庭、そして個人の中で、この3つの視点での気付きについて学び、トレーニングしていけば、よりよく生きていく力を手にすることができるのです。まずはこの前提を持つこと自体がとても大切だと感じます。

 

 

3.まずは、「家庭での対話」から始める


ではこのスキル、トリプルフォーカスを身につけるために具体的にどうしたら良いか、本書ではこれまでの学校での取り組みからデータ化されているものの、なかなか家庭での実践は難しいとも言えます。しかし、すぐに家庭でも始められるものもいくつかありますので、印象に残ったひとつの事例をご紹介します。

 

ある小学2年生の教室では、毎朝の朝礼で、子どもたち一人ひとりに「自分が今何を感じていて、そしてなぜそんな気持ちなのか」を問いかけ、それをシェアします。大人にとっては自明のことでも(本書ではそう述べられていますが、大人でも難しい場合もあると感じます)、これは、セルフマネジメントの重要な第1歩だといいます。自分の感情を言葉にすることは意識化することであり、それではじめて、その感情に対処し明晰な意思決定につながるからです。実際に10代で摂食障害になる少女たちは、「悲しいという感情」と「空腹という身体状況」を混同していることが分かっているそうです。

 

この簡単なやり取りであれば、家庭の中の色々な場面でお使いいただけるのではないでしょうか。毎朝・毎晩の食事や塾の送迎の車の中で、ご兄弟または親子でお互いにシェアをする、そんな時間をつくってみるところから、21世紀の学びは始まるのかもしれません。

 

本書の中では、フォーカス3までの様々な取り組み事例とその効果が紹介されています。

ぜひご興味のある方は、お手に取ってみてください。

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